コンサルPMOに対処する方法。「ベスト解」ではなく「現実解」を探し続けるPMの武器

プロマネ
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― コンサルPMOとの対話と、現場を動かす思考法 ―

最近、プロジェクトの現場で「お客様側にコンサルPMOが入ってくる」ケースが増えています。
そして、彼らは正論を武器にして現場を追い詰めがちです。

もちろん、正論には意味があります。
ただ、“正しいこと”と“実行できること”は別問題

限られたリソース、変動する要件、複雑な人間関係。
PMは、その中でプロジェクトを止めずに前に進める「現実解」を見つけなければなりません。


1. ベスト解と現実解 ― PMがたどり着く真の境地

プロジェクトマネジメントの現場で「完璧な正解」を探していた時期がありませんか。
でも、プロジェクトマネジメントの現場で長く戦っていると、ある瞬間に気づくのです。

「ベスト解なんて存在しない。現実解しかない」

その気づきは、35歳くらいで訪れるPMの“通過儀礼”のようなもの。
理想を追うのではなく、制約の中で前に進むことに意味があると腹落ちした瞬間です。


2. コンサルPMOとPMの構図 ― 正論 vs 現実解

コンサルPMOが持ち込むもの

  • 理想的な手順書やガバナンスモデル
  • 完璧な進捗報告書とリスク一覧
  • 「あるべき姿」を前提にした是正要求

一方のPMは

  • 手が足りず、メンバーも疲弊
  • 目の前のタスクで精一杯
  • それでも、期日と品質を守らなければならない

つまり、「理想」と「現実」の構図。
どちらも正しいけれど、PMが取るべき行動はただ一つ――現実を動かすことです。


3. 最終兵器:「じゃあ、どうすればいいですか?」

詰められたときの最強フレーズがこれです。

「じゃあ、どうすればいいですか?」

これは、反論ではなく“問い返し”です。
正論を“現実の課題”に引きずり下ろす技法でもあります。

この一言の効力:

  1. 相手の理想論を実務レベルに変換させる
  2. 発言責任を相手にも共有させる
  3. PMの冷静さと現場感を同時に見せられる
PMOの指摘PMの返し方
「スケジュールがタイトです」「そうですね。では、どうすればリリース日を守れると思われますか?」
「品質基準が甘いです」「確かに。現体制で品質を担保する方法、何かご提案ありますか?」
「コミュニケーションが不足しています」「その通りです。どんな仕組みが有効だと思われますか?」

理想を現実に翻訳する。それがPMの本当の仕事です。


4. 「話し合えば何とかなる」は幻想

現場によっては、「お客様と話せば答えが出る」と信じる営業担当もいます。
ボランティアや地域活動ではそれで通じることもあるでしょう。
でも、システム開発の現場は違います。

  • お客様は一生に数回しかシステムを作らない
  • 意見は経験ではなく“願望”に基づく
  • 合意形成よりも、論理と事実が支配する世界

話し合いで答えが出るなら、誰も苦労しません。
PMは「感情の場」ではなく、「論理の場」で勝負する必要があります。


5. 「99個のおにぎり」の教訓 ― 公平さの裏にある現実解

災害支援の現場で、こんな話が語られます。

「100人が空腹でも、おにぎりが99個しかないなら、配ってはいけない。」

一見冷たく聞こえますが、これは秩序と信頼を守るための哲学です。

  • 不公平を生まないため
  • 混乱を防ぐため
  • 支援の継続性を守るため

支援の現場では、「短期的な正しさ」より「長期的な秩序」が優先されるのです。
これはPMにも通じます。

現実解にこそ、倫理がある。


6. 共感と論理のハイブリッドで動かす

「理屈だけ」では人は動かず、「共感だけ」では現実は動かない。
だから、PMが取るべきはこのスタイルです。

共感で入口を開き、論理で出口を締める。

例:

「理想は理解しました。その理想を実現するために、今の制約の中で最善を考えましょう。」

共感は相手の安心を生み、
論理は前進を生む。
このバランスが、“動かせるPM”の本質です。


7. まとめ ― PMは現実解の探求者である

  • 正論に負けず、問いで返す
  • 感情ではなく、事実で語る
  • 理想を現実に翻訳する
  • 共感と論理を両立させる
  • 現実解にこそ、プロジェクトを動かす力がある

プロマネは「正しい人」ではなく、「前に進める人」。
ベスト解を追うのではなく、現実解で動かす
そこにこそ、PMという職業の醍醐味があります。


📘 まとめの一言

「PMは理想を描く人ではなく、現実を動かす人である。」